アテムへ
教室で、角ではない席で、僕は一人ぼっちだった。
それは慣れてない人には、凄い苦痛だと思う。
でも、僕はそれに慣れてしまった。それは悲しいことだと思うけど、当時の僕は気付きもしなかった。
そんな真っ白で寂しい世界を、変えてくれたのが君。
ぽつぽつと、温かいもので心が埋まっていく中に、ぽつんと黒いものがあって、僕はそれがとてつもなく怖かった。
でも僕は気がついた。
それこそが、君だってことに。
いつしか僕のことを「相棒」って呼んでくれるようになって
いつしかお互いにかけがえの無い存在になっていって
僕らの周りは、仲間で賑わっていて
うれしかった。幸せだった。
ずっと一人ぼっちだった僕が、幸せすぎて泣き出したくなるくらいに。
君が、僕の心なんかじゃなくって、別の人間だって分かっても、僕は構わなかった。
でも、別の人間ってことは、いつかは絶対にさよならする日が来るってこと。
君は、冥界に帰ってしまったね。
それが、たまらなく悲しくって、苦しい。
何年もたった今でも、僕は時々泣いてしまうんだよ。
おかしいね、君と過ごした時間より、一人でいた時間の方が多かったはずなのに。
今だから言うよ、僕は、君のことが大好きだ。
僕はもう、君の身長を越してしまったよ。
強くもなった。
君がここに居てくれたら、どんなに良いだろう。
でも、それは僕の我侭でしかないね。
ごめんね、ありがとう。
届くことの無い手紙だけど、書かずにはいられないから、書いたんだよ。
ばいばい、もう一人の僕、アテム。
武藤遊戯より
書き終えた手紙を慎重な手つきで3つに折って、封筒に入れた。
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大人棒の手紙。
未だに相棒のキャラを掴みきれてない自分がいる。
妄想しすぎて方向性を見失った感が否めない…
続きも考えていたはずなのに、忘れた。